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マンモグラフィは、乳房に触れられるし、痛いし、被ばくするし・・・と非常に不愉快な検査だと思います。ただ、マンモグラフィによって早期の乳がんが見つかるケースはとても多いのです。高齢者の乳がんも多いのですが、残念なことに日本は、30〜40歳代といった若い方々の乳がんが多いといった特徴があります。そして世界的にみると、乳がんの死亡率は年々減少しているのに対し、日本は上昇しつづけているのです。 |
なぜ日本では、乳がんの死亡率が増加しているのでしょうか・・・?
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この原因の一つに、"欧米諸国に比べ、日本のマンモグラフィ検診受診率は非常に低い"ということが上げられます。欧米諸国では受診率が軒並み60%を超えていて、特にスウェーデンにおいては80%台という高い値が報告されています。マンモグラフィ検診が世間にすごく浸透していて、当たり前のように皆さん定期健診を受けているのです。そしてこれが結果として乳がん死亡率の減少へとつながっているのです。 |
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それに比べて日本ではどうでしょうか・・・?
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日本の乳がん検診受診率は、視触診のみの検診(マンモグラフィは行わない)を含めても20%前後、マンモグラフィ併用検診の受診率のみでいえば、わずか数%なのです。 |
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乳がんは、今や特別な病気ではありません。
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日本女性の20人に1人はかかるといわれているのです。ちょっと前までは胃がん・大腸がんなどが多かったのですが、食生活の欧米化なども影響して、乳がんになる患者さんが最も多いのです。そしてこれからもきっと増えていくでしょう。現在1年間に約4万人の方が乳がんになり、約1万人もの方が命を落とされているのです。これだけ医療技術が発達している日本において、この状況は本当に悲しいものです。
乳がんは早期発見できれば治療することができ、命を落とさずにすむ病気です。そして、他のがんと違い、自分で発見することもできます。お風呂に入ったときなどに自分でも触って、定期的にしこりをチェックしてみてください。そして、もしも気になるしこり・痛み・乳頭からの分泌・湿疹などがあれば、1人で悩まずに早く病院を受診するようにして下さい。
私もそうだったのですが、"なんとなくしこりがあるような気がするな・・・"と思っている方も多いと思います。実際にはそれはしこりではなく、正常な乳腺といった場合が多いのですが、すごく不安ですよね。でも、検診や病院で診察や検査を受けた結果何も異常がないと確認できれば、それだけですごく安心します。
あなたの乳房について少しでも何か不安なことがあれば、風邪をひいた時と同じ感覚で、あまり気負わずに乳腺専門外来を受診してみて下さい。 |
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